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紅茶の製造工程 荒茶工程

かつては手作業で行われていた紅茶の荒茶工程は、研究・開発が進み、
少しずつ機械による製造へと移行しています。
現代では、消費ニーズに合わせた作業の効率化が進んでいます。

時代とともに機械化が進む紅茶の製造工程

紅茶の製法は、今から約200年前に中国で完成した、古典的な「手づくり」(工夫製法)が基礎となっています。その手作業の部分は、少しずつ機械に置き換えられており、製法・機械設備は年々改良が加えられています。
基本的には「オーソドックス(伝統的)製法」と「アン・オーソドックス(非伝統的)製法」(CTC、ローターバン製法など)のふたつで、このほかふたつの方法を合わせた製法も多く見られます。
紅茶消費国の都市化・工業化が進み、生活のテンポが速くなるにつれて、短い抽出時間でカップ水色や香味がより十分に得られる小型の茶葉が求められ、その需要が伸びるにともなって、ローターバン機・CTC機を使用した製造方法は急速に普及していきました。

(1)オーソドックス製法 (2)アン・オーソドックス製法 (3)セミ・オーソドックス製法

(1)オーソドックス製法

1.萎凋(いちょう)“Withering”

人工萎凋

摘み採った生葉の総重量の約77%は水分(残り約23%は固形分)です。萎凋は、次の揉む工程で作業をやりやすくするため、生葉に含まれている水分の約半分を平均的に取り除く作業。この結果、生葉の総重量は60~65%に減少します。
従来は、摘み採った生葉を網や麻布でできた萎凋棚に広げて、15~20時間、日陰干しにする「自然萎凋」でしたが、今ではほとんどの場合、萎凋槽を使い、8~10時間、大量の温風を送ってしおれさせる「人工萎凋」が行われています。
萎凋の程度は、葉がしおれた状態で握りしめたときに弾力性がなく、握力をゆるめても塊が解けず、茶葉に指の痕が残る程度で、甘涼しいリンゴのようなフルーティーな香りがするといった状態が目安となっています。

2.揉捻(じゅうねん)“Rolling”

揉捻機

茶葉に撚れを与えて、茶葉の細胞組織を破壊し、葉の中の酸化酵素を含んだ成分を外部に絞り出し、空気に触れさせて酸化発酵を促して形を整える作業です。
酸化酵素が空気中の酸素に触れると活性化し、カテキン(ポリフェノールの一種)やペクチン、葉緑素(クロロフィル)が酸化発酵します。この酸化発酵こそが、紅茶の香り・味・コク・水色のベースをつくる重大なカギを握っており、紅茶と緑茶の根本的な違いとなります。
揉捻発酵時間は45~90分。押さえ蓋で茶葉を強く圧迫しながら揉むので、酸化発酵が進み過ぎるため、発酵を抑える目的で玉解機にかけ、冷却して再び揉む作業を繰り返します。「揉捻→冷却」の作業を繰り返し行っている間に、茶葉は60~70%程度酸化発酵されるので、「揉捻=発酵」と考えられています。

3.玉解き・ふるい分け“Roll-breaking”“Green-Sifting”

玉解き・ふるい分け

揉捻工程で茶葉は塊になるので、これをほどいて平均的に空気に触れるようにして、酸化発酵を促進する作業です。
20~30分ごとに自動玉解機(ふるい分け)にかけます。この機械は粗いメッシュが上下左右に動く仕組みになっており、下にふるい落とされたものを「ふるい下」と呼び、品質劣化を防ぐために次の工程に移す。一方、ふるいに残った大きい葉を「ふるい上」といい、再び揉捻機にかけられます。

4.発酵“Fermentation”

発酵

室温25~26度、湿度90%の発酵室に、厚み4~5cm程度に広げ、2~3時間放置します。この段階で、緑色だった葉が鮮やかな赤銅色になり、紅茶としての芳香を漂わせ始めます。しかし、最近では、揉捻中に温度・湿度を与えて発酵を調整する方法も採用されています。
発酵しすぎると、紅茶の命である香気やアロマが台無しになってしまい、水色も黒っぽくなります。酸化発酵の程度は、茶葉が変化していく状況に応じた「香り」や「色」で判断し、適度な段階で次の工程に移して、酸化発酵を完全に止めなければなりません。

5.乾燥“Firing”

乾燥機

発酵終了時の茶葉の水分は約60%です。引き続き化学変化が起こるため、乾燥機に入れ、100度前後の高温熱風で酸化酵素の活性を止め、水分3~5%まで乾燥させます。

乾燥を終えた茶葉(荒茶)は、広げて放熱させます。

(2)アン・オーソドックス製法

Ⅰ.CTC製法“CTC Manufacturing”

CTC機

特殊な設計のCTC機という揉捻機を使用した製法。CTCとは、“CRUSH(押しつぶす)”“TEAR(引き裂く)”“CURL(丸める)”の頭文字をとったものです。ティーバッグの原料に使用されることが多く、ティーバッグの需要の増加とともに急速に普及して、現在では紅茶生産量の半分を占めています。
CTC機は1930年代に考案された特殊設計の揉捻機で、ステンレス製の2本のローラーからなっており、ローラーの回転を利用してすき間に葉を巻き込み、ローラーに取り付けた突起物や刃型で、茶葉の細胞組織を破壊・切断し、1~2mm粒状に丸めます。
近年、ローターバン機との併用が研究・推進されるCTC機は急速に普及しており、生産性・品質向上の研究も盛んに行われています。

Ⅱ.ローターバン製法“Rotorvan Manufacturing”

ローターバン機

1958年にインドで開発されたローターバンという大型の揉捻機で、「肉ひき機」の原理を利用した製法。2~3台連用になっており、投入口から萎凋後の茶葉を押し込み、圧搾して細かくします。細かくされた茶葉は、玉解きを行い、「ふるい上」は3台目のローターバンに移して形を整え、再び玉解き・ふるい分け、発酵・乾燥を行います。

(3)セミ・オーソドックス製法(オーソドックス製法とローターバン機の併用)

ローターバン機はオーソドックス製法の揉捻工程をスピード化し、効率的に小型茶葉をつくることができ、オーソドックス製法の補助的な役目を果たすために、インド・スリランカを中心に急速に普及し、最近ではこの製法によるものが大半を占めるようになりました。この製法では、揉捻開始から乾燥まで約2時間半かかっていた工程が、約1時間半に短縮されました。
萎凋された茶葉を、揉捻機で約20分揉み、茶葉の細胞組織をつぶしながら、ある程度まで撚れを茶葉に与えます。揉捻が終わると「ローターバン機」にかけて揉み切り、玉解機にかけます。

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