茶道の先生は認知症になりにくい?
抹茶と脳のメカニズム

誰でも発症する恐れがある「認知症」。国内の高齢化も進み、年々注目の集まる病気のひとつとなっています。その「認知症」に抹茶が有効かもしれません。

認知症って?

認知症とは、生まれてから正常に成長してきた脳やカラダの機能が衰え、記憶力や判断能力が減退し、今までの生活などが営めなくなってしまう症状のことをいいます。認知機能自体に効果のある薬や治療法は今のところありません。そのため、認知症にならないために、一般的には食事や運動など日々の生活を健康的に送ることが重要とされています。

テアニンと認知症

緑茶が持つアミノ酸のうち、半分以上を占めるといわれる成分「テアニン」。このテアニンを豊富に含む緑茶を粉状にして作ったカプセルを、約47.5mg毎日1年間摂取して認知症の症状の変化を評価する試験が行われました。60歳以上の方々を対象としたこの試験では、簡単な質問を対象者に答えてもらい、その正解数で認知症の程度を評価しました。その結果、緑茶抹のカプセルを服用したグループとしていないグループにおいて、その得点の平均値に有意な差を確認することができました。

茶道用のお抹茶1〜2杯分で効果あり?

試験で用いた約47.5mg分のテアニン量は、一般的な茶道用のお抹茶を1杯2g使用した場合、1〜2杯程度で摂取できる量です。意外と少ないことに驚きです。

「テアニン」は、その他に脳神経細胞保護作用のメカニズムも解明されています。
益々高齢化が進む日本は、世界的にも高齢化の先進国。脳とテアニンの関係は今後も注目です。