栽培地域

日本における茶樹の生存は、北は秋田県から南は沖縄県までと、とても広範囲です。しかし、秋田県や岩手県などの茶畑は、その大部分が自家用であるなど地場で消費され、商品として全国に流通することは少ないのが現実です。商用としての生産は、採算性の関係から茨城県、新潟県以南となっています。

栽培要件

お茶の生育・品質は、生育地の気象条件・土壌条件により大きく影響を受けます。特にお茶は元来、亜熱帯性植物ということもあり、寒さにあまり強くありません。そこで、冬季の気象条件が栽培適地を決めるカギとなっています。また、茶樹の根の働きは、生育に必要な水分や養分を土壌から吸収するだけでなく、養分・栄養分を一時的に根に貯える働きもあるので、根および土壌の重要性も高いといえます。

お茶栽培の好適条件

気象条件

  1. 年平均気温が12.5~13度以上であること。14~16度が適温。
  2. 1日の最低気温が15度以上の継続日数(作物期間)が少なくとも80日以上、平均気温5度以上の日数(植物期間)が少なくとも210日以上あること。
  3. 年間の降水量は1,300~1,400mm以上で、生育期間の4~9月の降水量は1,000mm以上。
  4. 台風、雹(ひょう)、晩霜の常習地でないこと。

土壌条件

  1. 排水性、通気性がよく保水性も兼ね備えていること(茶園の土壌条件として最も大切なのは物理性で、特に排水性が茶樹の生育に大きく影響します)。
  2. 根が生長、伸長できるような土壌(有効土層)の深さが最低60cm、理想的には1m以上あること。
  3. 土壌中の礫(れき)や粘土の割合が高くないこと。
  4. 土壌pHは一般的な作物の好むpH6~7より低いpH4~5程度になっていること。

その他

日本におけるお茶の栽培は、北は秋田県から南は沖縄県までと、とても広範囲で行われています。しかし、秋田県や岩手県などの茶畑は、その大部分が自家用であるなど地場で消費され、商品として全国に流通することは少ないのが現実です。商用としての生産は、採算性の関係から茨城県、新潟県以南となっています。

作業の機械化