紅茶の原料茶は、主にオークションで買い付けられ、それらの原料茶をブレンドして、ようやく紅茶として製品化されます。紅茶の専門家によるブレンドが、品質を決めるカギとなります。
ブレンドして製品価値が高められる紅茶
紅茶には、普通20種類以上の原料茶がブレンド(配合)されています。これは、種類の違った紅茶を混ぜる(混合“Mixing”)ことではありません。例えば「ピュア・ダージリン」「ダージリンティー」と表示されていれば、その製品は「ダージリン地区の生産品のみのブレンド茶」であることを意味します。この配合が、製品としての価値を決定するキーポイントになっています。同じ「ダージリン」という製品でも、各メーカーによって味わいが異なっているのは、配合の違いによるものです。紅茶のブレンドは、需要と供給の橋渡しをしながら、製品としての紅茶を完成させる重要な役割を果たす作業なのです。
ブレンドの目的は次の3つです。
- 品質の安定
- 消費地の水に合うものとすること
- 香り・味・水色とも優れた、消費者好みの紅茶にすること
紅茶は農作物ですから、原料茶の品質は年により、また、シーズンによって異なります。そのため、品質のばらつきをできるだけなくし、消費者に常に同じ品質と価格で提供すること、さらに、消費地の水質、消費者の好みに適した紅茶を提供することが重要になります。各紅茶メーカーは、商品の品質・価格・配合内容と比率を設定する際には、これらの点を考慮しながら、その配合に必要な原料茶を主にティーオークションで買い付けます。
オークション“Auction”
原料茶は、鑑定を経て、公開のオークションで売買されます。これは紅茶の流通上の特色です。古くからオークションのシステムはありましたが、1834年、東インド会社の独占終結後、ロンドンで公開されたオークションが大歓迎され、世界中の紅茶が集まりました。
現在でも、ロンドンオークションは健在で、そのほか、カルカッタ・コロンボ・コーチン・ナイロビ・ジャカルタ・モンバサなどの生産国で開催されています。取引形態は右図のようになっています。