お茶を栽培するうえでは、おいしい(品質の良い)お茶が望ましいのはもちろんですが、それ以外にも収量性、耐寒性、耐暑性、摘採の早晩性などが適性な品種が望まれます。さらに、近年では耐病性、耐虫性、減肥適応性、機能性なども重要視されるようになっています。そこで、そうした要望に応えられるような品種改良が、日々行われています。
現在、試験場などでは一般的に下図のような品種改良が行われています。

交配・採種

優良形質をもつ系統を配合し採種する

個体選抜

種子を植え育成する。
生育後は、微量製茶機で緑茶をつくり官能審査により選抜を行う。

苗床選抜

選抜した茶樹からさし穂をとり、栄養繁殖性を調べる

栄養系選抜

得られた挿木苗を植え、生育特徴を調べる。

地域適応性検定試験

主要産地の試験場等で有望品種の地域特性を調べる

品種登録

お茶は、自家受粉をしません。そのため、種子による繁殖では他の茶樹の形質が混じり合うため、品種の純粋性を保つことができません。したがって茶樹を繁殖させるときは、取り木・挿し木という栄養繁殖が望ましく、現在は効率のよい挿し木による繁殖が一般的になっています。
お茶の挿し木については、実用レベルの技術が1960年代に確立され、それ以降、お茶の優良品種の普及が進みました。ちなみに、1967年時点での全茶園中の優良品種の割合は約16%ですが、1987年には約83%に達しており、20年間で70%程度も進みました。